災害用の備蓄食料は、「白ご飯」を中心に献立を組み立てて用意しておく事になります。
白米は缶詰やレトルトカレーなどがあれば、それだけで1食分が賄えてしまいます。最悪の場合、ふり掛けや塩ご飯でも何とかカロリー補給する事ができますね。
やはり日本人なので、被災生活が長期戦になると白米が無いと疲弊してしまう方が多いと思います。
そこで今回は、災害時に予め用意しておいた備蓄で兵糧生活を送る事を想定して「非常食」や「保存食」として備蓄する白米について エより実践的な情報をエントリーしてみます。
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「サトウのごはん」は備蓄に向かない
備蓄用の白ご飯は「サトウのご飯」に代表される「レンジでチンして食べる白米」(パックのご飯)という選択肢が一番手軽でリーズナブルです。
しかし実は「レンジでチンするご飯」は災害時のご飯としては不向きなのです。電気が開通している条件+電子レンジのある環境であれば良いのですが、ライフラインが止まった状態で調理するには少し無理がある保存食なのです。
もちろん湯煎に対応している商品も販売されています。しかし「熱湯で15分以上」も加熱する必要がありますので、ガスが止まっている環境なら毎食貴重なカセットボンベを長時間消費し続けることになります。
また湯煎には大量の「水」も必要となるのもネックになります▼
「サトウのごはん」を温めずにそのまま食べるのはNG
「冷や飯でも良いから食べれれば良い」と考えがちですが、加熱調理しないと米の状態の生でんぷんは体内で消化する事ができないのです。
体に良くないんですね。温めないで食べた事のある方ならお分かりだと思いますが、味も酷い!我慢して温めずに何食も続けて食べたら心が折れて参ってしまいます。
Q, 加熱せずに食べることができますか。
必ず電子レンジで加熱調理してお召し上がりください。 ごはんの主成分であるでんぷんは、米の状態(生でんぷん)では人は消化できません。 これを炊飯による加熱でごはんの状態(糊化でんぷん)にすると、消化できるでんぷんとなります。しかし、これを放置するとでんぷんは徐々に生でんぷんに近い状態(老化でんぷん)になり消化できなくなります。「サトウのごはん」はこの状態で店頭に並んでいます。老化でんぷんは再度加熱することで糊化でんぷんにもどります。ですから、「サトウのごはん」は必ず加熱してお召し上がりください
※サトウ食品「よくある質問より」
震災時に「サトウのごはん」を使う時の小わざ
毎食水からお湯を沸かして、15分以上ボイルしていてはガスと水の消費が激しいです。では備蓄用には絶対使えないのかと言うと、実は自宅内での備蓄生活している状態であれば少しの工夫で備蓄ご飯として使う事ができます。
自宅で備蓄食料生活を送っている状態であれば湯煎に使ったお湯を捨てず、そのままポットで保温しておきます。次の食事に蒸発分の水を足して再度沸騰させれば、ガスを節約つつ水を効率的に再利用することができます。
お湯で温めて食べるレトルト食品も多いので、保温用のポットを1つは用意しておきたいですね。
備蓄にはアルファ米がベスト
お米を炊き上げた後に、乾燥させて加工する「アルファ米」という保存食料があります。このアルファ米は、パッケージ内にお湯か水を注ぐだけで、煮炊きせずに美味しいご飯ができあがるという便利なご飯です。
私も愛用している定番の「尾西食品のアルファ米」の場合、ご飯の作り方は簡単で、お湯を入れて15分待つだけ(水の場合には60分)。お茶碗に軽く2杯分のご飯 (260g)が炊き上がります。チンするご飯が180g-200g程度ですので 結構なボリュームです。
私は登山でのテント泊をするのですが、周りの方を含め山での白ご飯は、ほぼアルファ米一択 の状況です。
キャンプでは飯盒でご飯を炊いたり 「パックのご飯」を湯煎して食べる方を見かける事もあります。しかし登山では、災害時と同じように軽くて簡単・燃料コストが掛からない・ゴミが出ない、などの条件が求められます。
またメジャーなアルファ米の消費期限は5年間持つので、備蓄にも向いている保存食なのです。軽いので防災バッグの中にも入れておくのにも向いています。
アルファ米は、基本的に袋のまま食べるのが基本なので、汚れた皿を洗う必要がありません。
しかしながら袋が深いので、付属のスプーンでは届きませんし、カレースプーンでは大きすぎます。
私は登山では、折り畳み式の長いスプーンを愛用しており、備蓄には家族分入れてあります。
ユニフレームのフォールディングスプーンは、頭がシリコン製なのでカレーなんかも綺麗にすくい取れます。
少し長いロングタイプ▼
「レトルトおかゆ」という選択
別の機会に記事にする予定ですが、私はテスト的に備蓄食料だけで5日間暮らしてみた経験があります。登山で連泊する事もあり、保存食だけでの単調で味気の無い食生活の厳しさを身をもって痛感しています。
そこで被災時の朝ごはんは「レトルトおかゆ」の朝粥にしてメリハリを付けることに決めています▼
白ご飯の話題からは少し外れてしまいますが、災害時のメニューを組み立てて考えた時にレトルト粥も1つの献立になり得ます。
こちらも湯煎が必要ですが、パックのご飯とは違い5分でOKです▼
備蓄用の白ご飯まとめ
南海トラフ巨大地震対策の最終報告によると、最低1週間分の食料や水、燃料を備蓄しておく必要があるとしています。しかし、それはあくまで最低限の備えで、実際にはその倍の14日分以上の備蓄が必要だとも言われています。
お米を多めに備蓄しているご家庭もありますが、震災時には ご飯を炊いた鍋を洗う水も無い ので現実的ではありません。
アルファ米は高価なので 家族人数 x 3食 x 14日数分 用意するとなると、コストが掛かります。そこで我が家では、お粥や餅などを加え、コストを抑えた上でバラエティに飛んだメニューにしています。
また一度に期限が切れてしまうと、消費し切れずに廃棄することになってしまいます。そこで私は、アルファ米を数ヶ月に5個づつ買い足して消費期限が切れるのをずらしています。
私は登山にも持ち出す事が多いので、図らずとも消費しながら備蓄する「ローリングストック」状態になっています。
備蓄食料は、実食せずに備蓄している方が多いのではないでしょうか?しかし実際に食べてみると、不味くて我慢しても食べられないような保存食もあります。
子供と登山した時には、子供が全く手を付けられないドライフードやレトルトカレーなどもありました。実際のシチュエーションを意識して、白米+おかず+スープの組み合わせで「備蓄試食会」を開いて備蓄に採用するか決めるのも一興ですよ。備蓄用の食料は、実食してみる事をお勧めします。
今回は備蓄食料の中でも「白米」だけをフューチャリングしましたが、アルファ米は他にも味つきのラインナップが発売されています。
「松茸ごはん」「えびぴらふ」「わかめごはん」「ドライカレー」「五目ごはん」「山菜おこわ」「梅がゆ」「田舎ごはん」「チキンライス」「白がゆ」
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