震災時にはライフラインが途絶える事が予想されます。中でも冬の災害で一番心配なのが寒さ対策でしょう。
知人のお父様は東日本大震災で生き残ったにも関わらず、寒さに耐え切れずに凍死してしまいました。大きな災害時で無くとも、停電や大雪などで暖房が効かなかったり使えなくなる事例も頻繁に起こっています。
そこで今回は、実用的な災害時の暖房方法を4つご紹介します。
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石油ストーブ
石油ファンヒーターは灯油以外に電気が必要なので、災害時の暖房アイテムとしては使えません。そこで電力が不要な石油ストーブが一番お勧めです。
昔ながらの反射板が付いた石油ストーブなら7・8千円程度で購入することが出来ます。また石油ストーブの最大のメリットは、上に鍋を置くことで煮炊きが出来るという点です。小さい石油ストーブであれば、容量5リットル弱なので18リットルあれば震災時に1週間近くは持つと思います。
私は震災時の対策として普段から1部屋だけ石油ストーブを使うようにしてます。愛用している「トヨトミ Rainbow(RB-25F)」という石油ストーブは、さらに40Wの灯りとしても使えるので非常に頼もしい存在です▼
石油ストーブのデメリット
この石油ストーブのデメリットは、常に一定量の灯油を確保しておく必要があるという点です。また灯油は長期間保存しておくと、劣化してしまい不完全燃焼やストーブの故障の原因となります。冷暗所に保存していない限り「ひと夏超えてしまった灯油は使えない」と考えるべきでしょう。
数年保存が効く「非常用 灯油缶詰」という製品もありますが、1リットル x 18缶(合計18ℓ)で約16,000円と高価です。石油禁止のマンションやアパートは使えないという点も注意が必要です。
カセットガスボンベ式のストーブ
カセットコンロ用のボンベを使った「カセットガスボンベ式のストーブ」も数多く販売されています。
低価格で百均やコンビにでも買える燃料ですので、ボンベを備蓄しておく事で災害用に役に立ちます。最近では震災時の用途を意識して、上向きにして煮炊きにも使える製品も増えてきました。屋外用として販売されている製品も多いので、注意書きを良く読んで購入する必要があります。
カセットガスボンベ式のストーブのデメリット
カセットボンベを使ったガスストーブは一見便利ですが、1本のガスボンベで約3時間しか稼動しません。1日9時間つけたとして、毎日3本ものボンベが必要となります。災害時のガスボンベはレトルト食品を温めたりする為にも貴重で、ストーブ以外にも大人2人で7日間で9本が必要とされています。
また部屋を暖めるほどの暖房能力がありませんので、目の前で手を温めるのが精一杯です。
豆炭アンカ炬燵
これは私が一番お勧めの寒さ対策です。昔ながらの豆炭アンカを炬燵の中に入れることで、即席の豆炭コタツとして暖が取れます。豆炭1個で24時間暖める事ができますので実用的です。
私はキャンプで良く使っていますが、コタツが無くても机に布団を掛けて中に豆炭アンカを入れておくだけでも「即席コタツ」として使えます。出来れば豆炭アンカが2個あればポカポカです。
豆炭は12kg(約230個入り)でホームセンターでは1,200円程度で買えるので非常に経済的です。重さがありますのでネットショッピングでは送料込みで2千円以上します。
また豆炭を使った七輪や火鉢で暖をとったり調理する事もできます。災害時に豆炭は万能です。
豆炭あんかコタツのデメリット
ガスや石油ストーブにも共通のデメリットですが、窓を軽く開けておかないと一酸化炭素中毒の心配があります。
遠赤ヒーターアタッチメント
これはキャンプや釣りなどアウトドアで良く使われるストーブで、ガスコンロの上に置くだけでストーブになる優れものです。ただし非力なので部屋を暖める事はできません。長期間の非難生活や暖房目的には向きませんが、非難袋に入れておいたり緊急時に一時的に手足を温めるには十分役に立ちます。
遠赤ヒーターアタッチメント▼
但し一般的なガスコンロやボンベの上に乗せるタイプのコンロに装着すると、熱で爆発の危険があります。
キャンプ用の石油ストーブや↓のようなボンベと分離型のバーナーでの使用することができます▼
上で調理も可能▼
家庭用のカセットボンベを使う時にはSOTOのシングルバーナーがお勧めです▼
災害時の寒さ対策ストーブまとめ
暖を取るという目的で言えば、ウルトラライトダウンとダウンパンツやダウン寝袋などが有効です。冬山登山などで使う道具は氷点下での使用に耐えられますので呆れる程暖かいです。
また火を使った時にお湯を沸かしておき「湯たんぽ」という手段も覚えておいて損はありません。湯たんぽが無い場合「ハチミツレモン」など、温められるペットボトルは熱湯を入れて湯たんぽ代わりに使えるという事も覚えておくと便利です。
注意して欲しいのは、今回ご紹介した方法は全て火を使いますので換気が必須です。「一酸化炭素警報機」は同時に絶対に用意して置く事を強くお勧めします。
一番実践的でおススメの方法は、普段から「ストーブ料理」などで石油ストーブを使い軽く灯油を消費しながら備蓄しておく ローリングストック法 です。私は数日に1度しか使っていませんが、おでんや煮物、焼き芋、お餅などを上で焼きながら暖をとって1冬毎に灯油を買い換えています。
先日の東京の大雪でエアコン暖房が効かなかったという事もあり、私の周辺でも石油ストーブを使っている家庭が増えました。
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